2014年7月31日
この度、国内主要通信キャリアである東日本電信電話株式会社、KDDI株式会社、ソフトバンクBB株式会社及びHEMSベンダーであるパナソニック株式会社の4社がコンソーシアムの幹事企業を務める、経済産業省の補助事業である「大規模HEMS情報基盤整備事業」に、株式会社エプコと福岡県みやま市がコンソーシアムメンバーとして採択されました。
今回は、大規模HEMS情報基盤整備事業とは についてお話しさせていただきます。
2016年に家庭向けの電力小売りが自由化されますが、それと並行して各家庭にスマートメーターを設置して、電力データをリアルタイムで取得することで電力需給調整や検針業務の効率化を図る計画が進んでおります。
電力会社が設置したスマートメーターからの電力データは、電力会社へ送信されるAルート、家庭へ直接送信されるBルート(HEMS機器設置)、HEMS機器からの電力データをサービスに利活用するためのCルート、の3通りが検討されております。
今回の経済産業省の補助事業では、HEMS機器からの電力データを利活用して、各家庭に対してエネルギーマネジメントサービスや生活支援サービスを行うためのCルートに対応した、電力データを集約・加工して提供するための情報基盤(インフラ)を整備するものです。
電力データを利活用してサービスを提供する企業などは、この情報基盤にアクセスして、電力データを利用して自社のサービスを各家庭に提供していくことになり、いわば電力データのプラットフォームが今回整備する情報基盤になります。
それ故に、個人情報管理の徹底した仕組みを構築しなければなりませんし、プライバシー上の対応策を施し、消費者が安心できる電力データの利活用環境の整備が必要であることから、この情報基盤の構築については、通信情報の管理で実績のある国内主要通信キャリアが担当することになったと考えます。
さて、この度の経済産業省の補助事業では、大規模HEMSという名称が付けられておりますが、日本で初めてとなる全国規模でHEMS機器を設置して、電力データを集約・加工し、各サービスへ利活用する実証を行います。
全国4地区、14,000世帯にHEMS機器を設置し、リアルタイムに電力データを情報基盤に集約して、創意工夫されたサービスを多くの企業が各家庭に提供していきます。
ここで考えられるサービスは、家庭の電気料金を削減するためのエネルギーマネジメントサービスや、電力データを利活用してお年寄りや子供を見守る生活支援サービスなどが考えられます。
これまでは電力データをリアルタイムに取得できなかったため、電力データをサービスに利用し、家庭にフィードバックするシステムや仕組みがありませんでした。
今後は電力データを利活用した革新的なサービスやビジネスモデルが創出されると考えており、当社は今回のコンソーシアムメンバーとしての採択を千載一遇の好機と捉え、スマートエネルギー事業に経営資源を集中し、2016年の電力小売り自由化への準備を加速させて参ります。
このような動きは正に電力自由化後の姿であり、この事業を通じて整備した情報基盤を電力自由化後も持続的に運用するために、様々な検証を行っていくことになります。
さて、次回では、当社と福岡県みやま市が大規模HEMS情報基盤のコンソーシアムメンバーとして、どのような活動をしていくのか、詳しくお話しさせていただこうと思います。
カテゴリー:スマートエネルギー
2014年6月19日
本日は、エプコで開発したHEMSアプリケーション「ぴぴパッ!」に関連する特許が取得できましたので、ご報告させていただきます。
この度 取得した特許は、パソコンやスマートフォンで利用するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の節電支援システム、節電支援方法及び節電支援プログラムに関するものであり、家庭(需要家)の電力利用環境の即時性を踏まえ、効率的な節電行動を促す技術であり、HEMS利用に不可欠な特許といえます。
この特許の優位性は日本で初めて一連のシステムで特許を取得できた点にあります。
例えばHEMSを利用して省エネルギーを実現するには、電力量の把握と予測と制御とアドバイスが必要になります。
具体的には、
この一連のシステムがぴぴパッ!に搭載されており、このシステム処理全体で特許を取得することができました。
2016年には家庭向けの電力小売りが自由化されることが決定いたしました。2016年以降は電力を小売りする企業が相次いで市場参入することが予想されます。電力小売り会社は様々な電気料金プランを用意して電力を販売するだけではなく、サービスを充実させてお客様の支持を得ようと考えます。
その時に必要となるのが省エネアドバイスや節電サービスを提供するHEMSアプリケーションであり、この分野で一連のシステムでぴぴパッ!が特許を取得していることは、他社が同じサービスを提供できないばかりか、ぴぴパッ!がHEMSの業界標準になる可能性が高いと考えております。
勿論、ぴぴパッ!をエプコが独占的に利用することはできますが、そのようなやり方ではなく、多くの企業にぴぴパッ!をライセンス提供して、日本の全ての家庭にぴぴパッ!を利用してもらうほうが社会のためになると考えております。
いずれにしましても ぴぴパッ!で提供するコンテンツを更に充実させて、ご家庭のエネルギー負担の軽減につながるサービスを提供していきますので、引き続き、エプコの応援をよろしくお願いいたします。
カテゴリー:スマートエネルギー
2014年5月15日
本日は、家庭向け電力小売り自由化により、様々な取り組みができる可能性についてお話しさせていただきたいと思います。
2016年には家庭向け電力小売りが自由化される予定ですが、私が一般のご家庭にお聞きする限りでは、多くのご家庭では電力小売りが自由化されることを知りませんし、自由化されるとご家庭にどのような影響があるのかも存じ上げていない方が多くおられます。
そこでエプコがパナソニック社と取り組んでいる家庭用太陽光余剰電力買取サービスを事例に上げながら、電力小売りの自由化が家庭により身近なテーマであることを感じてもらいたいと思います。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることが決定いたしました。東京で五輪を開催するテーマの1つに、再生可能エネルギーで競技施設などにエネルギーを供給することが計画されております。
過去、日本で夏のオリンピック・パラリンピックが開催されたのは1964年ですので、実に50年以上ぶりに東京で夏季五輪が開催となります。当然ながら50年間の科学や技術の進歩が活かされた五輪になりますし、私もそれに期待をしているところです。
一方で、東京都民だけではなく、日本全国の国民がもっと積極的に東京オリンピック・パラリンピックの運営に参加する方法はないものかと考え、出した答えが、全国の家庭に設置されている太陽光発電の余剰電力を五輪の競技施設などへ供給する になりました。
今現在、家庭用の太陽光発電の余剰電力は地域の電力会社へ売電され、その電気は電力会社の管轄内で消費され、どこに利用されているのかも不明な状況にあります。
エプコがパナソニック社と共同運営しているパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)は、家庭の太陽光発電の余剰電力を買い取る事業を運営しておりますので、この会社が買い取った太陽光の余剰電力は、東京オリンピック・パラリンピックの競技施設などへ供給することは可能と考えております。
こうすれば太陽光パネルが設置されている全国の家庭の皆様も、我が家で発電した電気は五輪会場で利用されているということが明確になりますので、五輪の運営を一体となって行っているという実感が湧くと思います。
また、国や東京都、JOCなどから、我が家は東京オリンピック・パラリンピックの運営に太陽光エネルギーで協力しています などの公式ステッカーを発行してもらえば、より参加意識も高まるものと思います。
これまでは、太陽光の余剰電力を単に電力会社に売電していただけですが、これからは五輪の施設運営に我が家の太陽光エネルギーで協力するという明確なミッションが加わることで、エネルギーに対する国民の意識もより身近なものとなり、スマートなエネルギー利用にもつながるものと考えます。
加えて、私も東京オリンピック・パラリンピックの運営に参加したいと思う方が日本全国にたくさんおられるでしょうから、自宅の屋根に太陽光パネルを新たに設置していただければ、経済効果も高まり、アベノミクスの3本の矢の成長戦略にも通じ、国民が主導する経済成長の1つになるのではと考えております。
このように家庭向けの電力小売り自由化は、我々の生活に密着したテーマであり、自由化されるからこそできる創造的な事業やサービスがたくさん誕生し、ご家庭の選択肢も増えると思います。
エプコは電力小売りの自由化を見据え、ご家庭の生活に役立つエネルギーサービス、生活支援サービスを数多く提供させていただく準備を進めておりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
カテゴリー:スマートエネルギー