家庭のエネルギーの節約は、電気・ガス・水道をトータルで。

節電だけではもったいない

本日は、家庭で消費されるエネルギー(光熱費)についてお話しさせていただきます。

アサヒグローバルホールディングスの青山ハッピー研究所が実施したアンケート「第490回 最近、あなたは節約を意識しているか?」の結果によると、現在、節約していることの第1位は節電している76.7%、第3位は節水している52.9%、第6位は節ガスしている33.4%(複数回答)であり、エネルギーに対する節約の意識が高いことがうかがえます。

具体的な節約の方法としては、待機電源の削減、暖房設定温度を低めにする、冬場のお風呂は家族が立て続けに入るなど、皆様のエネルギー節約の工夫が感じ取れます。

アンケート結果にもありますように、家庭で節約できるエネルギーは電気だけではありません。ガスや水道も節約することで、家庭のエネルギー支出を抑えることができます。東京都に住む標準家庭の4月からの電気料金は8,111円になり、3か月連続の値上げになります。同様にガス料金は5,985円、水道/下水道料金は5,934円という試算になっており、家庭のエネルギー料金の負担は増加する一方です。

電気・ガス・水道という光熱費の節約(いわゆるランニングコスト)を減らす方法は大きく2つあり、1つは使い方を見直す方法と、もう1つは家電や機器を省エネタイプに交換する方法があります。

上の図にあるように電気とガスは1次エネルギー消費量として扱われ、暖冷房と給湯で全体の50%以上のエネルギーを消費しますので、ここの使い方の見直し又は省エネタイプの機器に交換するが、エネルギー節約のポイントになると考えます。

また、水道の利用構成はトイレ、お風呂、炊事で全体の75%の水利用になりますが、水道料金の節約になるのは便器と洗濯機を節水タイプの機器に取り換える方法や、お風呂の利用の仕方ではガス料金(ガス給湯器利用の場合)と水道料金の両方の節約につながります。例えば、朝晩の洗顔時、お水を1分間流しっぱなしにすると約12Lのお水を使用します。コップを利用して歯磨きすれば約0.6Lのお水ですみますので5Lの節水になり、3人家族ですと1ヶ月で約220円、年間2,500円の節約になります。

更に効果的なのが住宅の断熱性能を高めることです。住宅の断熱性能を高めるとは、燃費の良い住宅にするということであり、外気からの熱の侵入を抑制し、住宅内部の熱を外に漏らすことを少なくしてくれます。つまり、ランニングコストである1次エネルギー消費量を減らすことができ、少ないエネルギーで快適な暖冷房が実現できます。断熱性能の高い住宅にするには、断熱材で補足したり2重サッシにする方法があります。

そうは言っても、我が家の最適なエネルギーの節約方法はどうすればよいのか? という疑問が生じませんか。エプコは20年以上、住宅の水廻りや電気、住設建材、太陽光発電に関わる設計サービスを手掛けており、今では年間約100,000件以上の住宅・家庭向け設計サービスを提供しております。この設計サービスのノウハウを活用し、電力だけではなく、ガスも含めた我が家のエネルギー診断サービスを実施していく予定です。

このエネルギー診断サービスでは、単に電気やガス料金がどの程度節約できるかだけではなく、機器の交換費用や、節約した料金で機器交換費用を何年で回収できるかなどの目安も提供していきます。また、太陽光発電や蓄電池などを設置した場合の経済効果のシミュレーションもワンストップで提供できますので、エプコならではのエネルギー診断サービスを、なるべく早く皆様にご利用いただけるようにいたします。

このように住宅・家庭分野に強みを持つエプコだからこそできるスマートエネルギーサービスを、今後、更に増やしていきますので、皆様には応援の方、よろしくお願いいたします。

カテゴリー:スマートエネルギー

家庭の電力小売り自由化、海外では?

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本日は、家庭向けの電力小売りの自由化が進んでいる海外の事例を取り上げ、日本における電力小売りの自由化後を展望してみたいと思います。

エプコは英国のケンブリッジ大学工学部スマートシティー/エネルギーグループと共同研究を締結しておりますので、1998年に家庭向けの電力小売りが自由化された英国の事例をご紹介させていただこうと思います。

電力小売りが自由化されると、既存の電力会社だけではなく新たに電力を販売する企業が市場に参入し価格競争がおきます。英国では電力を販売する会社が約40社、料金プランにおいては1,000プラン程度あると言われております。

電力販売会社は自社の料金プランに工夫を凝らしており、例えば、家庭で利用される携帯電話やブロードバンド、ガス、電気といった様々なインフラサービスを束ねてセットで販売して、さらに最低価格保証をする会社などがあります。

また、人々が日常的に店舗を利用することが多い洋服や食品を販売する小売会社が電気を販売し、契約してくれた家庭には店舗で利用できるクーポンを提供するサービスなどがあります。

英国の世帯数は約2,700万世帯ございますが、このような家庭に魅力ある料金プランを提供することで、この内の約12%、320万世帯が1年間に電力販売会社を変更しているという統計もございます。

料金メニューを充実させるだけではなく、料金プラン以外で家庭に便利な生活支援サービスを提供する電力販売会社もあり、例えば住宅メンテナンスの代行サービスやコールセンターを充実させて丁寧な問い合わせ対応を行う会社もございます。

一方で、電気料金価格が下がったかというとこの算定が難しく、電気料金価格は原料価格や原料を輸入する際の為替により変動しますので、一概に判断することはできませんが、再生可能エネルギーのみで発電された電気を購入するご家庭や生活支援サービスの利便性を選ばれるご家庭など、自由化により各家庭の選択肢が広がったことはよいことではないかと思います。

エプコでは、パナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社を通じて、各家庭の太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスやONEエネルギー株式会社による家庭用蓄電池のレンタルサービス、高性能HEMSぴぴパッ!によるアプリケーションサービスなど、家庭向けの電力小売り自由化を見据えた様々な取り組みをしております。

これらの事業活動を通じて蓄積したノウハウを基盤に、新たなスマートエネルギー事業を創造していきますので、引き続き応援の方、よろしくお願いいたします。

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ベンチャー創業者と事業との関わり

 

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本日は、ベンチャー企業の創業者の職歴と事業の関わりについてお話しさせていただこうと思います。

皆様から、ところで岩崎さんは もともと何の仕事をしていたのですか? エネルギー関連の仕事をしていたのですか? という質問をいただきます。

ベンチャー企業の創業者に多い起業のケースは、これまで関わってきた仕事からヒントを得て起業するケースや、大学などで学んだ知識をベースに起業する創業者が多いように思われます。

私も学校では電気工学を勉強し、就職先は大手電機メーカーの技術系社員として原子力発電関連の仕事をしていた経験がございますので、エネルギーについてはもともと関わりの深い分野ということになります。

一方で、私の場合、創業当初の事業内容は住宅の水廻り工事をプラモデルのようにキット化して、水廻り工事を早く、安く、簡単に仕上げる仕組み考え出し、それをIT(CAD)でシステム化することで事業化いたしました。

この事業アイデアも原子力発電の仕事からヒントを得ております。原発は多種多様な運転を制御盤により行いますが、その制御盤は様々な基板、部品、配線などで構成されており、それらをIT(CAD)で設計し、工場内で組み立てられ、品質検査を経て出荷されますので、一定の性能が担保されることになります。

大手電機メーカーを退職後、街の水道工事店に就職した私は、設計図面なし、現場施工、職人さん任せの検査に唖然としたのですが、そこで考えました。業界全体がこのような不効率、低品質、長工期であるならば、これを原発の制御盤の製造過程のように、ITを駆使してCADで設計し、工場で部品をプレファブ化して品質検査を行い、宅急便で配管部品のキットとして現場に配送すれば、低コスト、高品質、短工期が実現できるのではと考え、配管工事のプラモデル化という発想で事業化いたしました。

この事業は現在、日本の新築低層住宅の約12%のシェアを得るまで普及しており、エプコのコア事業として多くの住宅会社様に採用されております。

このように原発と住宅の水廻り工事という一見なんの関係もないように思える両者ですが、事業化のヒントは思わぬところに隠れております。自分自身の経験を活かして、世の中の常識を非常識と思い、柔軟な発想と行動力があれば、おのずと事業の道筋は見えてくると思います。

そして大切なことは事業化のタイミングです。いくら優れた事業アイデアや構想があっても、社会がその事業やサービスを受け入れる素地がなければ事業を軌道に乗せることはできません。

私の場合も水廻り工事のプラモデル化を世の中にデビューさせたのは、事業構想から実に8年後でありました。1998年に水道法の規制緩和があり、ようやく私のアイデアを社会に対して普及させる素地が整ったのです。8年間に多くの経験を積み準備をしてきましたので、先手必勝、ロケットスタートで飛び出し、その甲斐あって今のエプコの事業基盤がございます。

家庭向け電力小売りの自由化も正に同じことであり、2年後の2016年には千載一遇の好機が到来いたします。これまでエプコが着々と準備してきたスマートエネルギーサービスを、エプコの経営基盤である住宅・家庭分野のプレーヤーの方々と連携して普及させ、日本全国のご家庭に活用いただき、国民のエネルギー負担の軽減に少しでもお役立ちできるスマートエネルギー事業を展開していく所存でございます。

引き続き、みなさまのご期待に応えるエプコとして事業を推進してまいります。

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