家庭の電力小売り自由化、海外では?

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本日は、家庭向けの電力小売りの自由化が進んでいる海外の事例を取り上げ、日本における電力小売りの自由化後を展望してみたいと思います。

エプコは英国のケンブリッジ大学工学部スマートシティー/エネルギーグループと共同研究を締結しておりますので、1998年に家庭向けの電力小売りが自由化された英国の事例をご紹介させていただこうと思います。

電力小売りが自由化されると、既存の電力会社だけではなく新たに電力を販売する企業が市場に参入し価格競争がおきます。英国では電力を販売する会社が約40社、料金プランにおいては1,000プラン程度あると言われております。

電力販売会社は自社の料金プランに工夫を凝らしており、例えば、家庭で利用される携帯電話やブロードバンド、ガス、電気といった様々なインフラサービスを束ねてセットで販売して、さらに最低価格保証をする会社などがあります。

また、人々が日常的に店舗を利用することが多い洋服や食品を販売する小売会社が電気を販売し、契約してくれた家庭には店舗で利用できるクーポンを提供するサービスなどがあります。

英国の世帯数は約2,700万世帯ございますが、このような家庭に魅力ある料金プランを提供することで、この内の約12%、320万世帯が1年間に電力販売会社を変更しているという統計もございます。

料金メニューを充実させるだけではなく、料金プラン以外で家庭に便利な生活支援サービスを提供する電力販売会社もあり、例えば住宅メンテナンスの代行サービスやコールセンターを充実させて丁寧な問い合わせ対応を行う会社もございます。

一方で、電気料金価格が下がったかというとこの算定が難しく、電気料金価格は原料価格や原料を輸入する際の為替により変動しますので、一概に判断することはできませんが、再生可能エネルギーのみで発電された電気を購入するご家庭や生活支援サービスの利便性を選ばれるご家庭など、自由化により各家庭の選択肢が広がったことはよいことではないかと思います。

エプコでは、パナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社を通じて、各家庭の太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスやONEエネルギー株式会社による家庭用蓄電池のレンタルサービス、高性能HEMSぴぴパッ!によるアプリケーションサービスなど、家庭向けの電力小売り自由化を見据えた様々な取り組みをしております。

これらの事業活動を通じて蓄積したノウハウを基盤に、新たなスマートエネルギー事業を創造していきますので、引き続き応援の方、よろしくお願いいたします。

カテゴリー:スマートエネルギー