2018年9月28日
本日は建築設備の観点から、インドのマンション建築の現状についてお話しさせていただきます。
現在のインドの建築工法は、現場でコンクリートを打設する柱梁構造が主流で、住戸内部の壁は発泡軽量コンクリートで造作されております。
この建築工法は中国と同様で、構造躯体である床や外壁などを造る場合、鉄筋で配筋した後にべニア板で型枠を造り、その中にコンクリートを打設します。
注)このベニヤ材を使用した型枠は、型枠の造作作業に時間が掛ったり、型枠精度のばらつきによる構造躯体の品質低下、べニアの残材による環境への悪影響などの観点から、中国の工業化住宅ではべニア材に代わり鋼製型枠の採用が進んでおります。
そして建築現場の印象は比較的きれいで、排水管や給水管も整然と配置されており、設備設計図面を作成し、図面通りに現場で施工されていると感じました。
一方で、内壁(発泡軽量コンクリート)に溝を入れて配管や電線を埋設する施工方法は中国を含めインドも同様で、施工に手間が掛るほか、後あとのメンテナンスもしずらいので、日本のように石膏ボードを使用して中空壁を造り、その中に配管や配線を通す施工方法が良いと思うのですが、引き渡し後のメンテナンス性よりも、コストを抑えて販売を優先するデベロッパーの意識改革を待つ状況です。
写真は浴室内部(洗面・シャワー・トイレが一体となって配置されている)ですが、シャワーの排水が階下(階下の住戸天井内)に配管されているので、これもメンテナンスの時に階下の他人の浴室天井を壊して作業する必要があり、改善の余地が多分にあると思います。
注)10年前の中国も同様でしたが、最近の中国の工業化住宅では、階下への配管はしないようになってきております。
このようにインドのマンションの建築工法おいては発展途上の段階ですが、中国のマンション施工技術の発展状況を見ていると、今後インドでも、施工面、品質面、物流面で大きな進展があるものと思われ、エプコが日本や中国で展開している住宅工業化モデルを、インドでも水平展開できるのではと考えております。
【参考】
こちらの分譲住宅は低層住宅ですがファシリティーも充実している富裕層向けのマンションで、1住戸の平均が約300㎡、価格は300,000USDということでした。
カテゴリー:エプコ