2022年1月4日
皆さま
新年明けましておめでとうございます。
2021年はコロナとの戦いに終止符を打った一年と考えておりましたが、昨年末に新変異株の発現により世界的にも緊急事態モードが鮮明になり、改めてコロナとは共存しながら経済活動や日常生活を築いていく、withコロナの時代に入ったと実感しております。
一方で、世界的な地球温暖化対策も待ったなしの状況で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも更に加速しなければなりません。
コロナや地球温暖化が我々に問いかけているのは、これまでの常識、現状の打破をしなければ、明日の未来はない、ということだと受け止めております。
これを企業に置き換えて考えてみますと、これまでの企業が生み出す価値は生産性など経済価値が中心でしたが、これからの企業は経済価値に加え、環境価値をセットで提供しなければ企業としての存在価値がない、ということだと思います。
この経済価値と環境価値を併せ持って実現する手段がデジタル技術であり、リアルな現場を支える事業基盤だと考えます。
これからの企業に求められる経済価値と環境価値、この2つの価値提供の実現には、パーパスを共有する企業とのパートナーシップ連合の強化を図ることが大切です。
そして、2050年までの30年間の礎を築くのが2022年であり、パーパスを共有したパートナーシップ連合と、脱炭素x建築DXを軸に、住宅産業の変革を実現したいと思います。
2022年は脱炭素x建築DXによる住宅産業の変革をより具現化するために、次の3本柱を軌道に乗せたいと考えております。
1つ目はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応です。
TCFDとは企業の気候変動への取組みや影響に関する財務情報についての開示のための枠組みで、東京証券取引所のプライム市場上場企業は、2022年4月よりTCFD提言に沿った開示が求められることになります。
具体的には、①ガバナンス②戦略③リスク管理④指標と目標の4項目に関する開示が求められ、気候変動に対応する取締役会の体制、気温上昇や規制強化で財務に与える影響、温暖化ガスの排出削減に向けた計画を、コーポレート・ガバナンス報告書に記載することになります。
特に住宅産業はすそ野が広く、営業・設計・資材調達・現場施工・入居後の維持管理と、各スコープにおいて温暖化ガスの排出量を数字で把握し、削減計画を示す必要があります。これは既存の建築生産システムでは算出しづらく、BIMクラウドサービスでTCFDに必要なデータサービスを提供してまいります。
2つ目はストック住宅(既存住宅)のゼロエミッション対応です。
日本のストック住宅総数は約5,600万戸あり、このストック住宅の省エネ化・再エネ化なくして脱炭素と防災社会の実現はあり得ません。ストック住宅の高断熱化(樹脂サッシなど)・高効率設備化(エコキュートなど)・再エネ化(太陽光パネル)・EV化を実現するにはイニシャルコストが必要で、ストック住宅の脱炭素化に向けた大きな課題でもあります。
この課題解決にはエプコが手掛けるCRMクラウドサービスにより家歴データを分析し、経済効果が見込めるストック住宅を抽出して、TEPCOホームテックのエネカリモデル(初期費用ゼロ円で太陽光発電システムなどの電化機器を設置し、利用料でお支払い頂くサブスクモデル)との相乗効果で、ストック住宅のゼロエミッション化に貢献してまいります。
3つ目は脱炭素と防災社会の実現に向けた電化戦略です。
この脱炭素と防災の取り組みとして、東京電力ホールディングスが電化戦略を打ち出しており、TEPCOホームテックのエネカリモデルと電気料金をパッケージにした電化サービスを提供していく方針です。
一方で、企業はカーボンニュートラル(CN)への取り組みを加速しており、CNソリューションを住宅事業者などの企業にダイレクトに提供する、コーポレートPPAといったビジネスモデルを構築して、電力小売りに変わる新たな収益機会を創り出す年にしてまいります。
これにより脱炭素と防災社会の実現に貢献する電化事業を、東京電力グループ全体で推進してまいります。
2022年はこれらの脱炭素x建築DXを具現化し、業績へ反映させていく一年となります。
そのために、エプコグループとTEPCOグループがより一層の協業深化を図り、事業を盛り立てて参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
カテゴリー:エプコ