2022年2月22日
2022年2月1日にプレスリリースいたしました、三井物産とエプコとの合弁会社であるMEDX株式会社の概要についてご説明いたします。
MEDX株式会社は三井物産51%、エプコ49%の合弁会社で、代表取締役社長は三井物産から、本社はエプコの東京本社内に設置し、事業開始予定日の4月1日に向けて準備を加速しております。
次にMEDX設立の目的に関してですが、カーボンニュートラルとデジタル技術はこれまでの住宅産業構造を抜本的に変革するパラダイムシフトであり、大きなビジネスチャンスと考えております。
住宅産業は、高齢化・脱炭素化・ストック住宅ビジネスへの対応が喫緊の課題であり、三井物産とエプコが共同して住宅産業のデジタル化(CRM+BIM)を推進し、ストック住宅市場の活性化ビジネスと脱炭素ビジネスを展開することを目的に設立いたしました。
そしてMEDXにおける両社の補完関係ですが、まず、住宅産業においてエプコグループが30年間培ってきた住宅関連の設計サービスやメンテナンスサービスの実績基盤があり、昨今ではBIMやCRMといったデジタルサービスを業界に先駆けて取り組んでいて、そこに三井物産のデジタル技術や脱炭素ノウハウ、住宅産業に関わる企業とのビジネスネットワークを付加することで、MEDX独自のプラットフォームサービスを開発し、住宅産業のバリューチェーンプレーヤーに提供していくことで、業界構造を変革し、新たな事業ポジションを創り出すことができると考えております。
新規顧客の開拓については、エプコグループがこれまでアクセスできていない新規のセグメントに対して、三井物産の営業ネットワークを通じて、幅広い関連プレーヤーを対象に営業提案を行い、顧客層の拡大を図ってまいります。
また、サービスについては、MEDX立上げ当初は、メンテナンス・リフォーム・買取再販などを支援するCRMプラットフォームサービスを中心に提供していく計画です。
その後、BIMを活用した新築向けのCO2排出量データサービスやプレファブ化サービスの提供など、MEDX独自のサービス開発を検討してまいります。
新築ビジネスが減少する中で、住宅関連プレーヤーはリフォームなどのストック住宅ビジネスの強化を目論んでおります。
一方で、アフターメンテナンスや点検を通じて居住者と永続的な関係を構築し、ストック住宅ビジネスを確立できているのは大手ハウスメーカーなど一部の企業に限られており、その大手ハウスメーカーでもデジタルツールを活用した居住者との双方向コミュニケーションによって情報共有できている企業はごくわずかです。
MEDXでは住宅関連プレーヤに対して、これまでエプコグループが提供してきた大手ハウスメーカー品質のメンテナンスサービスに加え、ストック住宅ビジネスの販売促進につながるMEDX独自の家歴データサービスやアプリサービスを提供してまいります。
エプコグループとしては、MEDXからメンテナンスサービスを受託することで増収につなげていき、MEDX本体の収益は持分法で経常利益に反映される、2通りの収益モデルで成長を図ってまいります。
2022年4月より、プライム市場に上場する企業にはTCFDルールに基づいた情報開示が義務化され、TCFDへの対応は新たな事業機会の創出と考えております。
そして、住宅産業においては、家庭部門におけるCO2排出量の全産業に占める割合が16%と高く、新築及び既存住宅へのカーボンニュートラル対応は喫緊の課題です。
一方で、住宅産業はすそ野が広く、資材の製造から加工、調達、現場での施工、居住後のメンテナンスに至るまで、CO2の排出量を工程別に把握できていないのが現状です。
このようなサプライチェーン全体におけるCO2排出量の算出と見える化が最終的なゴールですが、資材メーカーも住宅会社も手探りの状況ですので、当面はTCFDに対応する企業を集い、実証事業のような形でビジネスモデルを構築していきたいと考えております。
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