2016年10月26日
本日は水道事業の民営化についてお話しさせていただきます。
電気やガスと同じく暮らしに欠くことができないインフラ設備が水道です。この水道事業の多くは市町村などの自治体が運営をしております。
私が創業時に手掛けていたサービスも水道に係わるサービスで、水道工事を行う際に、水道工事業者さんが東京都水道局へ提出する申請図面をパソコンで作成するサービスで、当時としては画期的なサービスでした。
25年前の申請図面は水道工事業者さんが手書きで作成しておりまして、かつ、申請図面を保存する目的から、万年筆を利用して配管図面を和紙に3枚作成して、水道局へ提出する決まりになっておりました。
このため申請図面の作成に時間が掛かり、現場で工事をするのに忙しい工事業者さんにとっては、申請図面の作成を外注でき、パソコンできれいな図面を短時間で提供してくれるサービスは業界でも大変に好評で、このサービスがあったおかげで弊社の経営が安定したといっても過言ではありません。
電気やガスと同じく水道事業も民営化(自由化)ができる法体制になってはおりますが、河川からの取水、浄水場での浄水、ポンプや配水管での配水と保全、各家庭への給水、水道メーターの検針と料金徴収など一連のプロセスがあるため、全ての行程を民間企業が運営する負担と責任が重く、民営化の進捗は限定的になっております。
また、少子高齢化の影響で水道の利用率が減り、水道事業を行っている自治体の財政を圧迫しており、全国の自治体が運営している水道事業のほぼ半数が赤字という報道もあり、赤字を補うために水道料金を値上げする方法もありますが、市民の反発が予想され、自治体が抜本的な収益改善に踏み切れないようです。
これらに加え配水管の耐震化率は36%で、老朽化した水道管の更新率は2014年時点で0.76%しか進捗していないという統計もあり、インフラ設備の維持・改修も大きな問題となっているようです。
弊社も設備業界に携わる身として考えるならば、水道局に提出する申請図面やその管理はIT化でき、上下水道・電気・ガス・電話・道路などのインフラ設備の情報を一元的にデータベース化すれば、災害発生時の早期復旧にも役立ちます。
弊社では既に100万世帯の建築図面や設備図面をデータベース化しており、いつでも瞬時にご家庭の建築・設備状況がわかります。
これを公共インフラ設備に展開すれば、地域でインフラ情報を入力する雇用が生まれ、かつ、災害対策にも寄与できるので、政府が掲げる地方創生・災害対策・雇用創出につながる有意義な公共事業になると思います。
更に、水道・電気・ガスメーターの検針は、どこか1社がまとめて検針すれば経費の削減にもつながりますので、自治体の赤字補てん策の1つになります。
このような民間のアイデアを1つ1つ具現化することでインフラ事業の効率化にもつながりますので、弊社もインフラ企業と連携したサービスを展開していきたいと考えているところです。
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