電力サービス事業のロードマップ

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株主様から、弊社が電力事業から後退したのではというご質問を頂くことがございます。株主様が心配しておられるのは、以前、一部の業界紙などで、弊社が電力小売事業から撤退、という記事が掲載されたことがその背景にあるのではないでしょうか。

弊社は電力小売自由化の3年前から意志ある先行投資として、電力事業に経営資源を集中投資し、弊社の強みを活かしたビジネスを検討して参りました。

その過程においては、パナソニック様と共同で立ち上げた太陽光の余剰電力買取事業や、オリックス様、NEC様と組み、蓄電池のレンタル事業を立ち上げ、電力事業廻りのノウハウ吸収やシステム開発を行い、今では弊社の貴重な経営資産となりました。

一方で、これらの事業評価としては、弊社としては直ぐに業績に結び付くのは難しいという判断から、合弁事業からは離れ、サービスのみを提供する立ち位置で、各社に協力をさせて頂いております。

その他には、自治体の福岡県みやま市と連携して、経済産業省の補助事業である大規模HEMS情報基盤整備事業にも参加いたしました。弊社が補助事業に参加させて頂いた理由は、自治体が電力小売り事業に参入する際に、電力業務廻りのシステムやサービス提供の可能性を見極めるためでした。

補助事業に参加してわかったことは、やはり、1つの自治体だけで電力小売事業を行ったとしても、事業規模の拡大には限界があり、大きな事業に育てるには周辺自治体との連携が不可欠で、ここも事業化までの道のりが長いという判断から、サービス提供で協力をさせて頂くことになりました。

このように弊社が電力小売り自由化前に様々な事業に取り組んだことにより、電力事業廻りの勘所が判別でき、弊社なりの取捨選択ができました。

そして、電力事業で弊社の強みを活かしたビジネスとしての結論は、省エネに関する事業であると位置づけ、省エネサービス事業を切り口に、短期・中期・長期でロードマップを作成し、事業化の準備を進めております。

2017年度からは電気とガスの小売り自由化がスタートし、各社は料金だけの差異化から、料金+サービスで優位性を打ち出すものと考えております。

電気とガス料金をトータルに低減するには、やはり省エネが必要でして、弊社では100万世帯の建築図面や設備図面をデータベース化して、かつ、120万世帯のお客様に対してアフターメンテナンスサービスを提供しておりますので、お客様のご自宅に適した省エネサービスを、住宅会社様や電力会社様と連携して提供していきたいと考えております。

また、2019年頃からは太陽光発電の余剰電力を高く買取る制度が終了する家庭が増えてきます。そういうご家庭に対しては蓄電池を設置して、太陽光の余剰電力を蓄電池に貯めて、夜間や雨天の日に電気を無駄なく利用するサービスが広く普及するものと考えております。

このサービスは、弊社で既に8,000世帯のご家庭に提供しておりますので、これまでの先行投資が活きてくると確信しております。

更に、2020年までには新築住宅の過半をゼロエネルギー住宅にするという政府方針があり、ここも弊社では設備設計やHEMS、省エネ計算などで既にサービスを提供しておりますので、ゼロエネルギー住宅向けの省エネサービスの拡大余地が大きいと考えております。

このように電力やガスの小売りが自由化されたことにより、弊社のサービスがより広範に提供でき、事業成長ができる素地が整いつつありますので、これからも積極的に省エネサービス事業に取り組み、弊社の3本目の事業に育てて参りますので、引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

カテゴリー:エプコ スマートエネルギー