2018年3月13日
それでは中国で工業化住宅の普及が促進されると、LESSOとエプコの合弁会社の事業において、どのような影響があるのかを説明させていただきます。
まず中国の工業化住宅について解説させていただきます。中国の工業化住宅の概念は、壁や床、階段などのコンクリート製の構造躯体(プレキャストコンクリート:PC部材)を予め工場で製造して、建築現場ではPC部材を組み合わせて施工するPC工法を示しております。
中国の従来の施工方法は、現場で鉄筋を配筋し、型枠を組んでコンクリートを流し込むのが一般的でしたので、水回りの配管や電線の配線工事は、コンクリートが固まった後に、主要な構造躯体である床や壁のコンクリートを削ったり孔を開けて工事をしていたので、構造躯体の品質に悪影響を与えておりました。
また、日本のマンションとは違い、デベロッパーは構造躯体のみ(キッチンや浴槽、トイレなどの設備機器は付いていない)を販売している物件が多く、施主はマンション購入後、別途、内装工事を行うことになり、入居時期が異なると騒音や資材の搬入搬出で住める状況ではなかったのです。
こういう状態(建築の品質問題、産業廃棄物問題、入居者の住環境問題)が社会問題化していき、中国の中央政府も工業化住宅の普及に数値目標を取り入れることになりました。
工業化住宅ではPC工法に加え、内装工事も同時に施工するため、配管や配線の他にキッチンやユニットバスなども工事することから、LESSOでは工業化の配管部材だけではなく、ユニットバスの部材まで製造することを検討しており、LESSOとエプコの合弁会社では、デベロッパーに配管システムやユニットバスを提案し、工業化による設備工事の受注を検討したいと考えております。
中国の工業化住宅は始まったばかりですが、ようやくエプコが日本で培ってきた工業化の設備システムが、中国で普及できる環境が整ってきたと考えております。
今月末にはLESSOの董事長、総裁など幹部クラスが10名以上で来日し、エプコのアレンジで、日本のユニットバスメーカーなどと打ち合わせを行う予定です。
どうぞ、今後の展開を楽しみにしていてください。
カテゴリー:エプコ